牛乳と生クリームで作った、柔らかくてしっとりとした、ミルクの風味たっぷりの食パンを紹介します。
「湯種食パン」とはまた違ったおいしさがあります。是非作ってみて下さい。
YouTubeでも紹介しています。是非ご覧下さい。
パン作りにおける牛乳の効果とは
パン生地に牛乳を入れる目的は二つあります。
一つは、パンの焼き色を良くするため。
もう一つは、牛乳独特のミルクの風味をパンに与えるためです。
パン作りにおいて、焼き色を良くするために牛乳を入れるのであれば、少量(粉に対して10%程度)を入れるだけで効果があります。
なぜ、焼き色がよくなるのでしょう?
それは、牛乳の中に含まれる乳糖という糖質によって、パンを焼いたときにキャラメル化とメイラード反応が起こるからです。
しかし、パンにミルクの風味を付けたいのであれば、仕込み水を全て牛乳にしなければいけません。
逆に言えば、牛乳の風味はそれだけ、ほのかなものだとも言えます。
もし、パンにもっとミルクの風味を付けたいのであれば、生クリームや脱脂粉乳、練乳を使うと良いです。
今回のレシピでは、よりミルクの風味を感じられるよう、生クリームを10%配合して作っています。
メイラード反応ってなに?
メイラード反応とは、アミノ酸化合物(アミノ酸やタンパク質など)とカルボニル化合物(ブドウ糖や果糖など)が、加熱によってメラノイジン色素を生成する化学反応のことです。
簡単に言えば、お肉や魚を焼いたときに、香ばしい風味と茶褐色の焼き色が付くのがメイラード反応です。
ミルク食パンのレシピ
材料(1斤分)
- 春よ恋(国産強力粉)・・・230g(100%)
- きび砂糖・・・4g(2%)
- 全卵・・・1個
- 生クリーム・・・23g(10%)
- 牛乳・・・150g(65%)
- 塩・・・4g(2%)
- インスタントドライイースト・・・2.3g(1%)
- バター・・・7g(3%)
*( )内はベーカーズ%を表しています。
下準備
・食パン型(1斤)にバターを塗っておく。
・二次発酵が終わる時間に合わせて、オーブンをプレートごと210℃に予熱しておく。
使用する道具
・食パン1斤型
・めん棒
1.オートリーズ:ボウルに春よ恋(国産強力粉)、きび砂糖、全卵、生クリーム、牛乳を入れ、ヘラを使って粉気がなくなるまで混ぜる。
乾燥しないようラップまたは濡れ布巾をかけ、常温で30分〜1時間ほど休ませる。
2.こねる:バターを常温に出しておく。
オートリーズをとった後の生地に、塩とイーストを加え、手を使って混ぜ込む。
台の上に出して、15分ほどこねる。
水を使わずに、牛乳と生クリームを使っているため、生地が柔らかく、なかなかつながってきません。
少し大変ですが、頑張ってこねて下さい。
15分ほどこね、生地がつながってひとまとまりになり、生地に弾力と伸びが出てきたところでバターを細かくちぎって入れる。
さらに15分ほどこねる。
生地の表面が滑らかになり、生地にしっかりと弾力と伸びが出てきたところで生地の膜を見て、生地の出来を確かめる。
生地を薄く広げて膜を作り、指の腹が透けて見えるくらいまで、膜が破けずに広げられるようなら完成。
3.一次発酵:生地を張らせるようにして丸めて、ボウルに入れる。
乾燥しないようにラップをかける。
オーブンに発酵機能があれば35℃に設定して、もしくは部屋の暖かい場所に置いて、45分発酵させる。
ポイント:部屋の暖かい場所で発酵させる場合は、温度計で温度を計って、発酵の時間を調節しましょう。
4.パンチ:くっつかないように生地と台にかるく粉をふる。
生地の表面(きれいな面)が下になるように台の上に出す。
手にもしっかりと粉をつけ、生地を押すようにしっかりとつぶしてガスを抜く。
広がった生地を、まず左右に3つ折りにする。
その後さらに上下に3つ折りにする。
生地の表面を上にしてボウルにもどし、ラップをかける。
オーブンの発酵機能を35℃に設定して、または暖かい場所に置いて、30分発酵させる。
5.指穴テスト:生地の発酵の状態を確認する。
くっつかないよう生地の表面に粉をふり、人差し指にもしっかりと粉をつける。
生地に人差し指を第二関節あたりまで差し込み、生地に穴を開ける。
指の跡がきれいに残るくらいが、ちょうど良い発酵の状態の目安。
生地が塞がってきて指の跡が無くなってしまうようなら、発酵が足りていない状態です。
さらに15分〜30分ほど発酵させましょう。
生地全体にガスが充満していて、指で穴を開けたときに生地全体がしぼんでしまうようなら発酵のさせ過ぎです。
6.分割・丸め:くっつかないよう生地と台にかるく粉をふる。
生地を台の上に出し、カードやスケッパーを使って2つに切り分ける。(1つ220g)
生地をかるく叩いてガスを抜き、表面を張らせるようにして丸める。
乾燥しないようにラップをかけ、常温で15分ほど休ませる。
7.成型:めん棒を用意する。
くっつかないよう生地と台に粉をふり、手とめん棒にも粉をつける。
①生地をひとつ取り、表面(きれいな面)を上にして置く。めん棒を使って生地を伸ばし、生地中のガスをしっかりと抜く。
②生地を裏返し、かるく巻き筒状にする。もう1つの生地も同様にする。
③先にガスを抜いた方の生地を手に取る。表面を上にして、縦長の向きに置く。めん棒を使って縦長に生地を伸ばす。
④生地を裏返し、かるく引っ張りながら巻く。ポイント:表面をしっかりと張らせるように巻く。
⑤閉じ目を下にして、バターを薄く塗った食パン1斤型に入れる。もう1つの生地も同様にする。
8.二次発酵:オーブンの発酵機能を30℃に設定し、もしくは暖かい場所に置き、45分発酵させる。
9.焼成:生地が型の7分目くらいまでふくらむように発酵させる。
(下の写真の状態は、少し発酵させすぎてしまっています。)
型にふたをする。(ふたにもバターを塗っておく。)
210℃に予熱したオーブンに入れ、25分焼く。
焼きムラを防ぐため、途中20分ほど経ったところで型の向きを反転する。
10.焼き上がり:腰折れ防止のため、焼き上がったパンを、型ごと台に打ちつけてショックを与える。
焼き上がった生地を型から取り出す。網の上などにのせて、粗熱をとる。
以上がミルク食パンの作り方になります。
二次発酵を少し長くとり過ぎてしまったため、角が出っ張ってしまいました。
上部の角が少し丸みを帯びているくらいが、良い形だとされています。
みなさんが作るときには、お気をつけください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
使用した材料・器具
春よ恋 / 1kg
カップ印 きび砂糖 / 750g
シママース / 1kg
サフ(赤)インスタントドライイースト / 125g
明治 発酵バター(食塩不使用) / 450g