この記事では
「オートリーズってなに?」
「どんな効果があるの?」
といった疑問にお答えしていきたいと思います。
オートリーズとは
はじめに『粉』と『水』を混ぜて寝かせること
『オートリーズ』とは
はじめに全部の材料を混ぜるのではなく
はじめに『小麦粉』と『水分』だけを混ぜて
常温(25℃ほど)で『30分〜1時間ほど』生地を寝かせる
作業のことです。
生地を寝かせる時間は人によって様々です。
『一晩』や『丸一日(24時間)』生地を寝かせるパン屋さんもあります。
オートリーズの作業の流れ
オートリーズでパンを作るときは
- はじめに『小麦粉』と『水分』を合わせ、常温で寝かせる。
- そのあと『塩』や『イースト』を混ぜてこねる。
という流れになります。
『卵』や『液体の酵母』もはじめに混ぜる
『液体状の酵母』のときは、はじめに入れよう。
はじめに加える『水分』とは
- 水
- 牛乳
- 生クリーム
- 卵
- 液体状の酵母
などのことです。
『天然酵母』や『自家製酵母』などは
基本的には『あと』で加えますが
自家製酵母でも
レーズン種のように『液体状』のものは、はじめに加える
ようにします。
オートリーズのメリット
生地の『甘み』や『うまみ』が増すんだよ。
こねなくてもグルテンが作られる
生地を休ませている間に
粉に水分が浸透していきます。
このときに
『こねる』作業をしてなくても
グルテンが作られる
のです。
そのため
生地をこねるときに
すでにグルテンが作られているので
こね時間を短くする
ことができます。
『甘み』や『うまみ』が増す
生地を休ませている間に
小麦粉の『酵素』が働いて
自然な甘みやうま味が増す
効果もあります。
酵素ってなに?
酵素とは 例:唾液に含まれるアミラーゼ
『酵素』とは、一言でいうと
食べ物を分解する物質
のことです。
例えば
唾液に含まれる『アミラーゼ』が酵素です。
「唾液にはデンプンをブドウ糖に変える性質がある」
って小学生の頃に習いましたね。^^
これは
デンプンがアミラーゼ(酵素)によって分解されて
ブドウ糖になったというわけですね。
酵素の働きで得られるメリット
オートリーズで生地を休ませている間に
酵素が働いて、デンプンやタンパク質を分解し
『糖』や『アミノ酸』を作ります。
酵素が働くことで得られる『メリット』には
- パンの膨らみが良くなる
- 『モルト』を入れる必要をなくす
- 小麦の自然な『甘み』や『うまみ』が増す
- 焼いたとき、香ばしい色づきになる
- 口溶けや消化が良くなる
などがあります。
つまり、言い換えると
オートリーズとは、『酵素』を働かせるための時間
ということですね。
ちなみに
『オートリーズ』とはフランス語です。
「どうしてフランス語なの?」かというと
フランス人のレイモン・カルヴェルさんが
はじめに提唱したからです。
オートリーズを日本語にすると
『自己融解』になります。
小麦が自分の酵素によって
自分のデンプンやタンパク質を分解する
ので、こういう名前がつけられたんですね。
なぜ『塩』や『イースト』は後で加えるの?
『グルテンの発達』と『酵素の働き』を防いでしまう
『塩』には
グルテンを引き締めてしまう
酵素の働きを遅くする
という性質があり
グルテンの発達や酵素の働きを防ぎます。
また
『イースト(酵母)』を後で加える理由は
単純に発酵が進んでしまう
発酵によって生地の酸性度が高くなる
からです。
酸性度が高くなると、生地が引き締められてしまい
塩と同じようにグルテンの発達を防いでしまいます。
オートリーズで作るパンのレシピ
『オートリーズで作るパンのレシピ』はこちらをご覧ください。^^
まとめ
まとめると
『オートリーズ』とは
はじめに『小麦粉』と『水分』だけを混ぜて
常温(25℃ほど)で『30分〜1時間ほど』生地を寝かせる
作業のこと。
オートリーズで得られる『メリット』には
- 生地をこねる時間が短くなる
- 自然な『甘み』や『うまみ』が増す
- 焼いたときの膨らみが良くなり、色づきも良くなる
- 『モルト』を入れる必要がなくなる
などがあります。
オートリーズについてもっと知りたい方はこちら
この記事がみなさんのパン作りのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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