作り方のポイント

オートリーズを一晩するのはあり?〜オートリーズのおすすめ時間〜

この記事では

「オートリーズって一晩してもいいの?」

「オートリーズを一晩したら生地がデロデロになったんだけど・・・」

「結局オートリーズってどれくらいの時間すればいいの?」

といった疑問にお答えしていきます。

けいすけ
けいすけ
オートリーズって『一晩』しても大丈夫なの?
ラッコ
ラッコ
一晩するとより美味しくなるんだけど、
やり過ぎると生地が『デロデロ』になってしまうから気をつけてね。

パンに合ったオートリーズの時間とは

オートリーズをする時間は

【ソフト系】【ハード系】かで大きく分けられます。

 

オートリーズの基本についてはこちらで解説!!

【オートリーズ】ってなに?『こね時間の短縮』と『美味しさをUP』させる方法この記事では 「オートリーズってなに?」 「どんな効果があるの?」 といった疑問にお答えしていきたいと思います。 ...

 

【ソフト系】のパンは『1時間』

ソフト系のパンであれば

【30分〜1時間】するのがおすすめです。

30分〜1時間するだけでもグルテンが作られて

こねる時間を短くすることができます。

 

ソフト系のパンとは

  • 食パン
  • あんぱん、クリームパン
  • バターロール
  • ブリオッシュ

などの砂糖やバターといった副材料を入れるパンです。

 

「クロワッサン」や「デニッシュ」などの折り込み生地は

オートリーズの必要はありません。

オートリーズをして、グルテンを作りすぎると

生地を折り込みづらくなるからです。

 

【ハード系】のパンは『一晩』(8〜12時間)

ハード系のパンは

【一晩】(8〜12時間)するのがおすすめです。

 

ハード系のパンとは

  • フランスパン
  • リュスティック
  • ハードトースト
  • カンパーニュ

など、砂糖やバターを使わない

シンプルな材料で作るパンです。

 

オートリーズを【一晩】させることのメリット

生地の『甘み』と『うまみ』が増す

オートリーズを『一晩』する間に

小麦粉中の【酵素】が働きます。

 

酵素は、『デンプン』や『タンパク質』を分解して

『甘み』や『うまみ』成分を作り出します。

 

『モルト』がいらなくなる

『酵素』の働きによって

デンプンが分解されて『糖』が作られるので

できた『糖』が『モルト』の代わりになります。

 

そのため、『モルト』を加えなくても

『発酵』や『焼くときの色付き』が良くなります。

 

オートリーズをやり過ぎると生地が『デロデロ』になる?!

 

けいすけ
けいすけ
タンパク質』ってグルテンの元だよね?
分解しちゃったらマズいんじゃない?
ラッコ
ラッコ
タンパク質を分解しすぎると、グルテン(=生地の骨格)がなくなって
『デロデロ』の状態になってしまうよ。

 

オートリーズをするときに

  • 時間を長くやりすぎる
  • 生地の温度が高いままでおいておく

と、生地が「デロデロ」というか「テロンテロン」というか・・・

『コシ』の抜けた状態になってしまいます。

(説明が下手ですみません。^^;)

 

『グルテン』になるためのタンパク質まで分解される

よくパン作りでは、生地を『家』に例えて

  • デンプン=壁
  • グルテン=骨組み

といったりします。

 

酵素が、『デンプン』や『タンパク質』を分解すると

生地の【壁(中身)】や【骨組み】が無くなってしまう

ことになります。

 

つまり、

生地の『支え』が無くなってしまうので

『デロデロ』や『テロテロ』といった状態になってしまう訳です。

オートリーズの【注意点】と【温度の管理方法】

『気温』に注意する、必要なら『冷蔵庫』へ

オートリーズをするときは

【気温】や【水温】に注意します。

『気温』や『水温』が高いと

それに伴って、【生地の温度】も高くなります。

生地の温度が高いほど、酵素の働きが活発になり

生地を「デロデロ」の状態にしてしまいます。

 

なので、気温や水温の高い『夏』は

生地を【冷蔵庫】に入れるようにします。

気温が『25℃以上』になるときは

冷蔵庫に入れた方がいいかなと思います。

それ以外は、基本的には常温で大丈夫です。^^

逆に、生地の温度が低すぎると

酵素が上手く働かないので

オートリーズの効果が得られにくいです。

 

『冷水』や『温水』をつかって生地の温度をコントロールする

 

常温でオートリーズをする場合でも

  • 暖かい日は、『冷水』をつかって生地の温度を下げる
  • 寒い日は、『温水』をつかって生地の温度を上げる

ようにすると

より生地の温度のコントロールが上手くできます。^^

 

生地を複温させる方法

 

けいすけ
けいすけ
生地を冷蔵庫に入れておいたんじゃ
『こね上げ温度』が下がっちゃうんじゃない?
ラッコ
ラッコ
生地を冷蔵庫に入れておいたときは
こねる前に生地を温めてあげよう。

 

生地を冷蔵庫に入れておいたときに

冷蔵庫から出して『すぐに』生地をこねてしまうと

『こね上げ温度』が低くなってしまいます。

こね上げ温度が低いと

そのあとの発酵が遅くなってしまうので

生地の温度をあらかじめ上げることが必要になります。

 

【夏】は『常温』に出しておくだけでOK

生地の温度を上げる方法ですが

『夏』は暖かいので

『常温』に出すだけで、自然に温度が上がります。

 

問題は、『冬』の場合です。^^;

冬にオートリーズをするとき

『常温』に出しておいて大丈夫なんですが

『常温の温度』が冷蔵庫内よりも寒い場合があります。

 

そういうときも

こね上げの温度を上げるために

あらかじめ生地を温める必要があります。

僕が以前いたパン屋さんでも

生地の温度のコントロールにはとても苦労しました。

個人店のパン屋さんだったので、機材が十分に揃ってなくて

季節の温度変化には毎回悩まされていました。^^;

 

【冬】は『湯煎』で温める

『冬』に生地の温度を上げる方法は

『湯煎』をして生地を温めてあげる

と良いです。

 

大きめのボウルに温かめのお湯を張って

ボウルに入った生地を漬けておきます。

途中、生地の外側と中心を入れ換えると

全体の温度を均一にすることができます。

 

他にも

  • こたつの中に入れる
  • ヒーターの前に置く

ということも有効です。

まとめ

オートリーズのおすすめ時間は

  • ソフト系のパンは、30分〜1時間
  • ハード系のパンは、一晩(8時間〜12時間)

です。

オートリーズを『一晩』させると

  • 『甘み』と『旨味』が増す
  • 『モルト』がいらなくなる

という効果がある。

オートリーズを『一晩』するときは

  • 長時間やりすぎたり
  • 生地の温度が高すぎると

生地が『デロデロ』になるので注意する。

 

気温が25℃以上になるときは

冷蔵庫に入れる

ようにする。

生地の温度は

『冷水』や『温水』を使ってコントロールする

ようにする。

生地が冷たいときは

  • 夏は常温に出しておくだけでOK
  • 冬は湯煎して温める

ようにする。

 

この記事がみなさんのパン作りのお役に立てれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

参考にした本