この記事では、パン作りをする上での
「パンチってなに?」
「どうしてパンチをするの?」
「パンチを忘れたときはどうしたらいいの?」
といった疑問に解説していきたいと思います。
そもそもパンチって一体どんな意味があるんだろう?
パンチってなに?
発酵の途中で生地のガスを抜くこと
パンチとは、一言で言うと
「発酵の途中で生地のガスを抜く」
作業のことです。
そうすることでよりパンを膨らませることができるよ。
どうしてパンチするの?
パンの膨らみを良くするため
そもそもどうしてパンチが必要なんでしょう?
それは
「パンの膨らみを良くする」
ために必要だからです。
それらが合わさって、よりパンを膨らませることができるよ。
パンチによって得すること『3つ』
じゃあ、なんでパンチによってパンはよく膨らむようになるのでしょう?
それはパンチによって
- 酵母の活動を活発にする
- グルテンを強くする
- きめを細かくする
という『3つ』のことが得られるからです。
では、これらについてもう少し詳しく解説していきますね。
(少し理論的な話になるので興味のない人は読み飛ばしてください。^^;)
①酵母(イーストなど)の活動を活発にする
パンチによって
発生したガス(二酸化炭素)を抜き、新しい空気を入れてあげることで
酵母(イースト)の活動を活発にします。
そうすることで、
よりガス(二酸化炭素)の発生を促し、パンをより膨らませることができます。
②グルテンをより強くする
生地をつぶしたり、折り畳んだりすることによって
生地のつながり(グルテン)をより強くすることができます。
そうすることによって、
膨らみの良いパンを作ることができます。
③きめを細かくする
パンチによって
生地を叩いたり潰したりすることで
大きかった生地中の気泡(ガスや空気の泡)を小さく整えます。
そのことで、
きめの細かい生地になり、パンをきれいに膨らませることができます。
パンチをすることで、これら3つのことが得られます。^^
パンチのやり方
基本的なパンチのやり方について説明
①生地をつぶしてガスを抜きます。
②生地を広げたあと、右1/3を折りたたみます。
③左1/3を折りたたみます。
④生地を縦長になるように整えます。
⑤生地の下をつかんで引っ張りながら、1/3を折りたたみます。
⑥生地の下を持ち、再び1/3を折りたたんで3つ折りにします。
⑦きれいな面を上にしてボウルに戻します。
基本的には
- 叩いてガスを抜いてから
- 生地を折りたたむ
という流れになります。
パンチをするときの注意点
生地はやさしく丁寧にあつかう!
もし、生地をこねたり雑に扱ってしまうと
グルテンを壊してしまいます。
グルテンが壊れると
生地が上手くガスを蓄えることができず、
パンが膨らまなくなってしまいます。
そのため、グルテンを壊さないよう
生地はやさしく丁寧にあつかうことが大切です。
やさしくとは『グルテンを壊さないように』ということ
グルテンを壊す行為には
- 生地をちぎる
- 無理に引っ張る
- こねる
- 表面を破く
といったものがあります。
「そんなことしないよ」
と思われるかもしれませんが
何気なく作業をやっていると気づかないうちにやってしまったりします。
生地をやさしく扱うために
次のようなイメージでパンチをすると上手くいきます。
- ガス抜きは、真上から押すようなイメージで
- 生地を折りたたむときは、折り紙を折るようなイメージで丁寧に
あとは、適度に手に粉をつけておくことも大切ですね。
もしパンチするのを忘れてしまったら?
今からでもやった方がいい?
このあとの『生地丸め』を強めにしっかりとおこなうことでカバーできるよ。
パンチをせずにそのまま作業を進める
もしパンチをするのを忘れてしまったときは
パンチをせずにそのまま作業を進めます。
パンチをする予定の時間から『10分〜20分ほど』過ぎた程度なら
今からパンチをしても大丈夫
ですが、
『30分以上』時間が過ぎてしまった場合は
そのままパンチをせずに作業を進めた方が良いと思います。
あまり時間が過ぎてからパンチをすると
パン作りのスケジュールが乱れてしまうということもありますが
かえって生地が強く締まりすぎてしまい、
『丸め』や『成型』といった作業がやりにくくなってしまいます。
『生地丸め』を強めにしっかりとおこなう
パンチをせずに作業を進めた場合
パンチをしなかった代わりに
分割の後の『生地丸め』を強めにしっかりとおこないます。
そうすることで、グルテンを強くして
パンチができなかった分をカバーします。
まとめ
まとめると、パンチとは
発酵の途中で生地のガスを抜くこと。
そして、パンチの目的は
パンの膨らみを良くするため。
なぜ膨らみが良くなるのかというと、
パンチによって
- 酵母(イースト)の活動を活発にする。
- グルテンをより強くする。
- 生地中の気泡を小さく整える。
という効果が得られるから。
もしパンチを忘れたときは
生地丸めを強めにしっかりおこなう。
以上が、『パンチ』の解説になります。
パンチをすることで手間がひとつ増えますが、
パンチをすることでよりおいしいパンを作ることが出来ると思います。
この記事がみなさんのパン作りのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
パンチをする『タイミング』や『回数』についてはこちらの記事で解説しています。
よろしければ合わせてご覧ください。^^
参考にした本
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パン作りをしていると出会う疑問についてわかりやすく解説してくれる本です。
「生イーストとドライイーストは何が違うの?」
「最終発酵はどうやって見極めたらいいの?」
など、パン作りが初心者の方はもちろん
もっと理解したいという方にもおすすめの本です。