パンのレシピ

【湯種入り】ミネラルたっぷり”全粒粉”食パンの作り方

全粒粉食パンアイキャッチ

全粒粉でパンを作る

全粒粉と聞くと、なんだか固いパンを想像してしまいませんか?
「健康のために食べるもの」「なんだか美味しくなさそう」といったイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、全粒粉で作るパンは、通常の白い小麦粉で作るパンよりも、膨らみが悪くなります。その分、少し硬いと感じるかもしれません。

ですが、全粒粉は「身体に良い」だけじゃなく、とっても美味しいのです。
小麦本来の味や、優しい自然な風味、少し酸味の効いたコクのある味、さくっと歯切れの良い食感など、全粒粉には、白い小麦粉では味わえない美味しさがあります。

今回は、そんな全粒粉を50%配合した食パンのレシピをご紹介します。
バターは使用せず、砂糖も最小限しか使用していないため、小麦の味や風味をしっかりと感じられるようなレシピになっています。
また、少しだけ湯種を配合して、全粒粉のさっくりとした食感を残しながらも、少しもっちりとした食べやすい食感のレシピにしました。

YouTubeでも紹介しています。是非ご覧ください。

全粒粉とは

全粒粉と書かれたパンをスーパーやパン屋さんでよく見かけますが、全粒粉とは具体的にどんなものなのでしょうか?

全粒粉”とは、小麦粒の全部を粗挽きにしたものです。

では逆に、”白い小麦粉”とはどんなものなのでしょう?
それは、小麦粒の外皮や胚芽を取り除いて挽いたものです。

外皮」とは、小麦粒の外側の硬い皮のことで、ミネラルや食物繊維が含まれています。
また「胚芽」とは、小麦粒の下部の中央にあり、成長したときに芽となる部分で、ビタミンBやビタミンEが豊富に含まれています。

まとめると、白い小麦粉に比べて、全粒粉にはミネラルや食物繊維、ビタミンが豊富に含まれているということになります。

・「全粒粉」については、こちらで詳しく解説しています。
もっと知りたいという方は、是非ご覧ください。
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全粒粉で作るパンの特徴

全粒粉で作るパンにはどんな特徴があるのでしょうか?

  • 小麦の味や香りがしっかりと感じられる
  • ミネラルや食物繊維がたっぷり
  • ビタミンBやビタミンEが豊富
  • さくっと歯切れが良い
  • 噛みごたえのある食感
  • 膨らみが悪い
  • 口当たりが悪い

というような特徴があります。

良いところもありますが、あまり良くないところもあります。
そのため多くの場合、白い小麦粉と組み合わせることで、お互いの良いところを引き出し、悪いところをカバーします。

全粒粉食パンのレシピ

材料(1斤分)

湯種

  • 全粒粉・・・22g(10%)
  • お湯・・・44g(20%)

本ごね

  • ゆめちから・・・110g(50%)
  • 全粒粉・・・88g(40%)
  • きび砂糖・・・4g(2%)
  • 水・・・143g(65%)
  • 塩・・・4g(2%)
  • インスタントドライイースト・・・2g(1%)

    *( )内はベーカーズ%を表しています。

下準備

・前日に湯種を作っておく
・食パン型(1斤)にバターを塗っておく
・オーブンをプレートごと210℃に予熱しておく

0.湯種を作る:パンを焼く日の前日に湯種を用意します。
全粒粉に沸騰したお湯を加え、ヘラを使って手早く混ぜる。
(火傷に注意してください。)
粉気がなくなるまで混ぜ、生地と密着させるようにラップをする。
粗熱がとれたら冷蔵庫で一晩休ませる。

全粒粉食パン湯種
全粒粉で作った湯種

1.オートリーズ:ボウルにゆめちから、全粒粉、きび砂糖、水を入れ、粉気がなくなるまで混ぜる。
乾燥しないようにラップをかけ、常温で30分〜1時間ほど休ませる。

2.こねる:1の生地に塩とインスタントドライイーストを加えて混ぜる。ひとまとまりになったら台の上に出して20分ほどこねる。
生地を薄く伸ばして広げ、膜をつくる。
膜にだまが無くなめらかで、指の腹が透けて見えるくらいまで広げられれば完成。

全粒粉食パングルテン膜
出来上がりのグルテン膜の様子

3.一次発酵:生地を張らせるようにして丸め、ボウルに入れる。
ラップをかけ、35℃で45分発酵させる。

4.パンチ:ふくらんだ生地を、くっつかないようかるく粉をふった台の上に出す。
生地の表面(きれいな面)を下にし、生地を押すようにつぶしてガスを抜く。
広がった生地をまず左右に3つに折りたたみ、その後さらに上下に3つに折りたたむ。
表面を上にしてボウルにもどし、ラップをかけ35℃で30分発酵させる。

全粒粉食パンパンチ
つぶしてガスを抜く
全粒粉食パンパンチ左右三つ折り
左右に三つ折りにした様子
全粒粉食パンパンチ上下三つ折り
上下に三つ折りにしていく

5.分割:分割前に発酵の状態を確認する。
くっつかないよう生地に粉を振り、人差し指にも粉をつける。
生地に指で穴を開け、指の跡がきれいに残るくらいが丁度良い発酵の状態。

一次発酵が完了した生地を粉をふった台の上に出し、カードを使って2つに切り分ける。
切り分けた生地を、ガスを抜きながら表面を張らせるようにして丸める。
ラップをかけ、常温で15分ほど休ませる。

指で穴を開けた生地の状態

6.成型:生地が手や台にくっつかないように粉をふる。
生地をひとつ取り、手のひらでつぶしてガスを抜く。
表面(きれいな面)を下にし、上下に半分に折る。
生地の向きを90度変え、下から巻いていく。
巻き終わりを下にし、生地を両手で包み込むようにして持つ。
生地を手の中で滑らすように転がしながら、丸めていく。
表面をきれいに張らせるように丸め、閉じ目を閉じる。
バターを薄く塗った食パン1斤型に生地の閉じ目を下にして入れる。

全粒粉食パン成型1
上下半分に折る
全粒粉食パン成型2
90度向きを変え、下から巻いていく
全粒粉食パン成型3
下から巻いていき、閉じ目を下にする
全粒粉食パン成型4
手の中で転がして丸くする
全粒粉食パン成型5
生地を型に入れた様子

7.二次発酵:30℃で60分発酵させる。

全粒粉食パン二次発酵後
発酵後の状態

8.焼成:型の高さ近くまでふくらんだ生地を、210℃に予熱したオーブンに入れ、20分焼く。
焼きムラを防ぐため、型の向きを反転させ、さらに5〜10分ほど焼く。

9.焼き上がり:焼き上がったら型ごと台に打ちつけショックを与える。
焼き上がった生地を型から取り出す。

全粒粉食パン焼き上がり
焼き上がりの様子
全粒粉食パン断面
断面の様子

以上が、全粒粉食パンのレシピになります。

全粒粉で作るパンは、膨らみはあまり良くないですが、味はとても美味しいです。
いつも作っているパンに、全粒粉を少し混ぜるだけでも、全然違った味わいになりますよ。
気になった方は、是非一度試してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

使用した材料・器具


北海道産全粒粉 春よ恋 / 500g

北海道産強力粉(ゆめちから100%) / 1kg

カップ印 きび砂糖 / 750g

シママース / 1kg

サフ(赤)インスタントドライイースト / 125g