リーンなパンとリッチなパンとは
「リーンなパン、リッチなパンっていうけどどんな意味なのかよくわからない。」「リーンなパン、リッチなパンにはそれぞれどんな種類があるの?」といったことにお答えしていきたいと思います。
リーンなパンとは
リーンな生地は、基本的にパン作りに必要最低限の材料である、「粉・水・塩・イースト」の4つが主な原料となります。
一般にハード系のパンや直焼きのパンは、パンの特性としてリーンな配合になっています。
リーンな生地だからこそ、小麦粉のこんがり焼けた香りや、発酵による風味を十分に引き出すことができます。
これらの香りや風味は、微かなものなので、個性の強い副材料(バター・砂糖・卵・牛乳など)を加えると、それらの味や風味が勝ってしまいます。
リーンなパンのシンプルで飽きのこない味は、主食としてのパンになります。
リッチなパンとは
リッチなパンとは、いろいろな種類の材料を豊富に使用して焼き上げたパンのことです。
特徴は甘く柔らかで、ふっくらと焼き上がります。
どうしてこのような違いが出るのか
リーンなパン(フランスパンなど)とリッチなパン(食パンや菓子パンなど)の食感の違いはどうして生まれるのでしょう?
それは、パンをリッチにするための多くの副材料は、パン生地を柔らかくする性質を持っているからです。
しかし、これらの副材料を使用しすぎると、グルテンの形成を妨げてしまうとう特徴もあります。
また、加えてイーストの働きも低下させてしまいます。
そのため、これらを防止するために、リッチなパンはリーンなパンよりも、生地を長い時間こねることで、グルテンを十分に作ることが必要になります。
また、リーンな生地に比べて、イーストの量を増やすことで、生地の発酵力を補助します。
そのため、こね上がった生地はグルテンが多いため、コシと伸展性に富み、またイーストが多く、炭酸ガスの発生力も強いため、生地が大きく膨らみます。
そのため、焼き上がったパンは甘く柔らかで、ふっくらとするのです。
まとめ
リーンなパンの特徴
- 粉・水・塩・イーストのシンプルな材料だけで作る
- 小麦粉本来の味や発酵による風味を味わえる
- 主食としてのパンになる
- 例.バゲットやカンパーニュなど
リッチなパン
- 副材料を多く使ったパンのこと
- こね時間が長くなる
- イーストを多めに入れる必要がある
- 甘くて柔らかく、ふっくらした焼き上がりになる
- 例.食パンや菓子パン、バターロール、ブリオッシュなど
以上がリッチなパンとリーンなパンの解説になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考図書
パン「こつ」の科学:吉野精一 著
パン「こつ」の科学―パン作りの疑問に答える