【乳化】ってなに?

乳化アイキャッチ

乳化とは

【乳化】とは、お菓子作りなどでよく行われる作業のことで、バターなどの油脂と、水分量の多い卵を分離しないように混ぜ合わせる作業のことです。

つまり、本来反発して分離してしまう性質である「油」と「水」を、上手く混ぜ合わせる作業のことです。

ここでは、どのようにして乳化は起こるのかといったことや、乳化の重要性、乳化させるときのポイントなどについて解説していきたいと思います。

乳化はどうして起こる?

お菓子作りの中で【乳化】をしなければならない作業は、

・クリーム状のバターに全卵や卵黄を混ぜる
・卵黄に植物油を混ぜる

などといった作業です。

これらは、油と水を混ぜているようなものなので、普通は分離してもおかしくありません。
しかし、どうしてバター(油)と卵(水)を混ぜ合わせることができるのでしょう?

それは、

・卵黄に含まれる、レシチンやLDLタンパク質などの乳化剤が油と水を混ぜ合わせる力を持つため
・卵黄の乳化性をうまく利用できるような方法で混ぜ合わせるため

です。そのため上手く混ぜ合わせることができるのです。

うまく乳化しないとどうなる?!

卵をいっぺんに入れてしまったり、卵を入れた後に混ぜたりないと、卵の水分とバターの油が均一に混ざらずに分離してしまいます。

もし、分離した状態で小麦粉を加えてしまうと、小麦粉が分離した水分を一気に吸収してしまい、べたべたした生地になってしまいます。

本当ならば、バターの油脂の中に卵の水分が粒状に分散した形で混ぜ合わさっている(乳化)ので、小麦粉を加えても水分を過剰に吸収することは起こりません。

また、バターに空気を細かい気泡にして含ませている場合(クリーミングといいます。)、もし卵が分離してしまうと、その構造が崩れて、バターに含まれていた空気が失われてしまいます。

そうなると、ふくらみが悪く、かたくソフト感のない焼き上がりのケーキやクッキーになってしまいます。

乳化の見極め方

ちゃんと乳化したかどうかを判断するときのポイントは、バターに卵がうまく乳化すると、生地は締まってかたくなり、混ぜるのに力が必要になるという点です。

一方、分離してしまうと、生地はやわらかくもろもろとした状態になるので、混ぜ終わりの生地のかたさは柔らかくなります。

乳化のポイント

混ぜ方と温度が「乳化」のカギ

では、乳化をするときのポイントについて解説していきます。

バターに卵を加えて混ぜるという作業は、バターの「油」と卵の「水分」が反発して、とても分離が起こりやすい状況です。しかし、混ぜ方のポイントを押さえれば、卵の乳化力を生かして、バターの油脂の中に、卵の水分を細かい粒状に分散させることで、両者をうまく混ぜ合わせることができます。

バターに卵を乳化させるためのポイントはつぎの3点です。

  1. 卵を数回に分けて、少量ずつ加える。
  2. よくかき混ぜる。
  3. 卵の温度を適正にする。

一つずつ詳しく解説していきます。

(1)少しずつ混ぜる

乳化の作業で大切なことは、その混ぜ合わせ方です。
例えば、バターに卵を混ぜ合わせるときに、全量を一度に入れて混ぜると分離してしまいます。

卵黄の乳化性を発揮させるためには、ベースとなる材料のバターに、分散させたい卵を少しずつ加えながら混ぜ合わせることが大切です。

このときに、バターに対しての卵の割合が多くなると、割合が少ないときよりも、卵を分けて加える回数が増えることに注意しましょう。

(2)よくかき混ぜる

バターに卵を加えるような場合には、ベースとなるバターに、卵に含まれる水分を、より細かい粒状にして分散させることで、分離しにくく安定します。

そのためには、バターに卵を少しずつ加えながら、かつよくかき混ぜることで、卵の水分を細かく分散させます。

卵がバターに混ざったように見えてから、さらに混ぜ続けると、混ぜるのに少し力が必要になってきます。そして「つや」のあるクリーム状になります。ここまでしっかり混ぜると乳化が安定します。

(3)卵の温度を適正に保つ

「乳化」の作業では、卵の温度も重要な要素です。

クリーム状のバターが空気を抱き込んだ状態(クリーミング性)を保ちながら、乳化させていくためには、バターの温度に合わせた、常温(15℃程度)の卵をつかうことが重要です。

もし、冷蔵庫から出したての冷たい卵を使うと、バターがもろもろに固まってしまい、うまく卵と混ざることが出来ず、分離してしまいます。
これは、適度なやわらかさになっていたバターが、冷たい卵を入れたとたんに冷え固まってしまったためです。

もし分離しかけたときは・・・

バターに卵を加えて混ぜているときに、もろもろが見えてきたら、それは分離しかけている証拠です。
もし、まだ分離し始めた程度であれば、修復することも可能です。

あとから加える小麦粉の一部をこの段階で加えて混ぜ、分離した水分を小麦粉に吸収させると、なめらかさを取り戻せます。

ただし、多少ふくらみが悪くなるなどの影響は避けられないので注意してください。

以上が、お菓子作りにおける「乳化」の説明になります。
乳化のコツをつかんで、お菓子作りの上達につなげましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

参考資料

科学でわかるお菓子の「なぜ?」:中山弘典、木村万紀子 著

製菓学校の教科書でも使われている、とてもわかりやすい本です。
お菓子作りを理論的に解説してくれていて、お菓子作りをするときの「どうして?」という疑問を解消してくれます。
お菓子作りで気をつけるポイントや、上手くいくコツなどを細かく解説してくれていますよ。


科学でわかるお菓子の「なぜ?」―基本の生地と材料のQ&A231

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