作り方のポイント

【オートリーズ】ってなに?パンを美味しく作るための秘密のコツ

オートリーズアイキャッチ-min

パン作りにはいくつか製法があります。
ストレート法中種法前発酵種法湯種法・・・etc

ここでは、その中でもパン作り初心者の方には絶対に実践してほしい
【オートリーズ法
というものについて解説していきたいと思います。

オートリーズとは

オートリーズ」とは、パン作りの製法の一つです。

具体的にどういうものかというと、
始めから全ての材料を混ぜ合わせるのではなく、
まず始めに小麦粉と水だけを合わせ、そのまま20分〜1時間ほど生地を寝かせる」という製法です。

:寝かせる時間は人によって様々です。一晩や丸一日寝かせるパン屋さんもあります。)

これだけ聞くと、「たったそれだけ?」「それって何か意味あるの?」などと思われるかもしれませんが、
これをやるだけでとっても作業が楽になり、おいしさも格段にアップします。


ちなみに、オートリーズautolyse)という言葉はフランス語になります。
どうしてフランス語なのかと言うと、レイモン・カルヴェルさんという
フランス人の方が初めに考案されたからです。

そして、オートリーズを日本語に訳すと「自己融解」という意味になります。
生地が自身の持つ酵素によって、自らのデンプンやタンパク質といったものを分解するからこういった名前がつけられたんですね。


オートリーズで作るパンのレシピ

オートリーズ製法で作ったパンのレシピはこちらをご覧ください。

[kanren id=”13″]

[kanren id=”675″]

オートリーズで作るときの作業の流れ

オートリーズ製法でのパン作りの作業全体の流れは次のようになります。

  1. 小麦粉と水を合わせ、常温で数十分寝かせる。(オートリーズ)
  2. 塩やイースト、その他の材料を合わせてからこねる
  3. 一次発酵
  4. 分割・丸め
  5. 成型
  6. 二次発酵
  7. 焼成

この一番初めのの段階で行う作業をオートリーズといいます。

オートリーズもっと詳しく

どんな効果があるの?

オートリーズ法は、始めに粉と水だけを合わせ、常温で数十分寝かせます。

この生地を休ませている間の時間に、粉に水がしっかりと浸透していきます。
これによって、「実際にこねるという作業をしなくても、勝手にグルテンが形成されていく」のです。

また、この生地休めの間に、生地の伸展性が向上したり、
小麦粉の中に含まれる「酵素」の働きによって、甘みうま味が増す
という効果もあります。

この生地休めの後、イーストなどの残りの材料を加えて、こねていくのですが
このとき「すでにグルテンがある程度作られている」ため、
こねる時間を短くする」ことができます。

このように、オートリーズ法はこねる時間を少なくするだけではなく
パンの焼き上がりのボリュームを増やし
パンに自然な甘みやうま味を加え

さらに、口溶けを良くするという効果があります。

どうして塩やイーストを後で加えるの?

次に、イーストを後で加える理由について解説していきます。

塩を後で加える理由

には、グルテンを引き締める性質があります。

これは、オートリーズによってグルテンを発達させるのを防いでしまうからです。
また、塩には「酵素」の働きを遅くする効果もあるからです。

イーストを後で加える理由

パン酵母イースト)が、オートリーズの段階で加えられないのは、
単純に発酵が進んでしまうということもありますが、

仮に、パン酵母イースト)を入れた場合、発酵が起こります。
すると、それによって生地の酸性度が高くなってしまいます。

酸性度が高くなると、塩と同じように生地が引き締められてしまうので
これもグルテンの発達を防いでしまいます。

「酵素」の働きについて

酵素」とは、簡単にいうと「食物を分解する働きを持つ物質」のことです。

例えば、唾液に含まれる消化酵素(アミラーゼ)は食物中のデンプンをブドウ糖に変える働きがあります。

小麦は、自分が持っている酵素によってデンプンを分解し、糖を作ります。

また、その他にも酵素には、タンパク質を分解するなどといった様々な働きがあります。

このように、酵素によるデンプンの分解によって糖が作られるため、酵母(イースト)のエサが増えます。
これによって、イーストの活動がより活発になり、パンのボリュームが増します。

また、酵素の働きによって、小麦由来の自然な甘みが増えるとともに、焼き上がりの色づきも良くなり、口溶けも良くなります。

まとめ

まとめると、オートリーズには

  • トータルのこねる時間が短くなる
  • 焼き上がりのボリュームが増し、色づきも良くなる
  • パンが柔らかく、しっとりした食感になる
  • 小麦本来の甘味を引き出す
  • 口溶けを良くする

という効果があります。


このように、オートリーズとは簡単な作業なのですが、
それをやるだけで、たくさんの効果があります。

是非オートリーズ法を使って、よりおいしいパンを作ってくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

参考図書

BREAD:ジェフリー・ハメルマン 著
パンの世界:志賀勝栄 著


BREAD―パンを愛する人の製パン技術理論と本格レシピ

パンの世界 基本から最前線まで (講談社選書メチエ)